『Doors』 湘南探偵団
様々な音楽が混同したハイ・ポテンシャルなアルバム。
ザ・ミュージックカウンシル (2006/02/22)
という事で、湘南探偵団の1stアルバム『Doors』(2月22日発売)。
昨年4月にシングル『Imaginary』でメジャーデビューを飾った彼ら、それまでは、その名のとおり湘南を中心に活躍をしていました。
佐藤嘉風(よしのり)(Vo./Guitar)、大坂孝之介(Piano)、会田一輝(Dr.)の3ピースバンド。
バンドといっても、決して荒々しいものではなく、様々なサウンドを配合した絶妙なポップ・グルーヴで魅せる楽曲、Vo.の佐藤の癒しを導くマイルドで何か熱いものを滾らせた歌声など、全ての要素において、安心とゆとりを預けられるどちらかといえば落ち着きをもったバンドです。
そんな彼らの1stアルバムには、メジャーデビュー以降のシングル『Imaginary』『心のルーペ』『Anomie』『BLUE』の4枚のシングルが収録。
収録曲(シングルはオレンジ・カップリングは緑・注目曲は赤・シングルかつ注目曲はピンク、カップリングかつ注目曲は紫で表示しています。)
1.Anomie 2.Doors 3.Imainary 4.去り際 5.夢の続き 6.心のルーペ |
7.SLOW LIFE 8.水玉オンパレード 9.BLUE 10.永遠なるDream 11.とまり木 12.あかね |
主な収録曲を追っていくと、
ラテンやボサノバ・ジャズといったサウンド・エッセンスをMixしたまさに彼ららしい大人な1曲目①『Anomie』、
ピアノが映える爽やかなアルバムタイトル曲②『Doors』、
記念すべきメジャーデビューシングル、店主・木津健も一発で触発された、サビでのファルセットが曲と溶け合う切な系ミディアムチューン③『Imaginary』、
MONDO GROSSOの『LIFE』・晩夏を彷彿させる、ラテン・ナンバー④『去り際』、
一見スタンダードなスローナンバー、しかし聴けば聴くほど味の出る⑤『夢の続き』、
彼らの持ち味であるピアノを最大限に生かした軽快なポップ・チューン⑥『心のルーペ』、
楽曲の本来持つ『静』の性質に、裏拍のリズムが重なり『動』にもとれる不思議なナンバー⑦『SLOW LIFE』、
コミカルな歌詞で愛を謳う、クールなジャジー・ナンバー⑩『永遠なるDream』、
そしてラストを飾るアコースティックな魅力タップリのバラード⑫『あかね』などなど、
実に様々な種の楽曲があった事には、今更ながら驚かされました。
アルバムを聴いて思ったのが、どんな音楽を好き好んで聴いてらっしゃる人にも案外スッポリとハマってしまいそうだなぁと。
たとえばロック、たとえばクラシック、たとえばブラック・ミュージック。
そんな数々の音楽要素を、彼らが抽出・料理し、自分たちの音楽として再構築しているので、初めて彼らを聴く人もそこまで抵抗もなく聴けてしまうはずです。
どんな枠組みにも簡単にははめる事の出来ない彼ら独自の世界観で織り成す”美”アルバムです。オススメ^-^
★★★★★★★★★★